しゅん

奇跡の丘のしゅんのレビュー・感想・評価

奇跡の丘(1964年製作の映画)
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「アァ!」→崖崩れる

の展開なによ。笑ってしまったでないか。

くりかえされる顔へのアップ。延々と響く音楽。ダッシュする群衆。イタリア語の響きで押し出されるイエスの説教。内側に伸びた眉毛。笑えないコントを想起させるところが多く、誰もが知る新約聖書の物語をこの撮り方で観せ続けるのはちょっとしんどい。前半の赤ん坊皆殺しシーンだって律儀に列成して丘降ってて暴力薄いし、舞台装置を活かせていると思えない。鶏が鳴いてないのにパウロが涙するのは不可解で、原典にない演出がどれもよくわからん。美しくなさすぎる。
ブルースとサンバの使い方はちょっとおもしろかった。ユダと枯れた木を同時に下から上へ同時に映すところも好き。

死ぬまでに観たい映画1001はこれを選ぶなら『アポロンの地獄』を選んでほしい。後者の方が簡潔で引き締まっててはるかによい。
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