無神論者であるパゾリーニが撮った「キリスト伝」。公開当時、保守的なカソリックから非難轟々浴びせられたとか。無神論者が撮ったからといって、反キリスト映画にはならない事が本作で証明された。
映画自体はストイックでとても感動的な内容になっている。厳粛で素人演技を多用した低予算臭バリバリな雰囲気はブレッソンにも近い。民族音楽を多用したスコアが異色中の異色と言える。
あのマーティン・スコセッシにも多大な影響を与えたらしいが、本作の編集のぎこちなさに不満を持っていたらしくその雪辱を『最後の誘惑』で果たしたとされている。結果的には本作に到底勝てなかったが…。🍷🐍