はるちゃん

カストラートのはるちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

カストラート(1994年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

オペラの勉強をしつつ、前のめりで楽しんで鑑賞。

只今、読書中の「オペラの運命」岡田暁生・著にて、本来的な貴族的オペラの鑑賞態度や座席の構造(階級的な意味も含めて)について、こちらの映画や「夏の嵐」が参考になるとのことで、どうしてもすぐに観てみたくなり借りてきました!

平土間が、まだ立ち見席だった頃のオペラ座の雰囲気を味わえ、とても貴重な経験が出来ました。オーケストラピットはいつ頃から、観客席より下がって見えなくなってしまったのでしょうかね?

カストラートの奇抜な存在感、狂気的な人気などなど、18世紀のオペラ界の様相をしっかり堪能できました。

貴族社会のお抱えとして生き、貴族に重宝されても、その貴族に逆らってしまう主人公はかなりロックな生き方だと思いました。ヘンデルとの、相歯向いながらも、どうしようもなく才能を認め合ってしまう件もかなり好きです。

確執の後、兄を拒絶しても彼の作品の完成を待ち侘びていたり、複雑なのに純粋で、平気で矛盾しているのに美しいのがいいですね。