なぜ評価がここまで低いのかわからないpovホラー。
ストーリーはかなりシンプル。幽霊が出ると噂の心霊スポットに番組クルーが向かい、心霊現象を撮影すると言った感じ。
ストーリーはシンプルながら、見せ方が非常に上手く、ジャンプスケアと心霊現象を巧みに使い分け、恐怖と緊張感を最後まで持続させているのが良かったです。
最初は、面白半分で突入し、幽霊がなかなか出ないことに苛立ち、証言を偽ったり、エセ霊媒師なんかを使うなどのヤラセをして、番組として成立させようとする感じが、番組の裏側を見ているようで面白かったです。
そして中盤以降から現れ始める心霊現象も、最初からバンバン襲ってくるのではなく、影が横切ったり、物音がしたりなどから徐々に大きな物へと変わっていく様子がとても怖く、かなり丁重に作っており、雰囲気を大事にしている事が伺えました。
そして1番面白いと思ったのが、建物内の構造が変わっていく設定が大変良かったです。出入口だったはずの場所が、いつのまにか全く違うところに繋がっているという、異世界に迷い込んでしまった、言い知れぬ不安感と、現実からは逸脱した恐怖がとても良かったです。
演者たちの演技もわざとらしさが無く、極力自然な演技になっていたのも良かったです。演技しているというよりも、本当に恐怖しているようなリアルな演技が、見る側も彼らと同じ体験をしているようなリアルさを感じました。演者の中で1番輝いていたのが主人公なのも良かったです。最後まで諦めないその不屈の精神には、どこか感動や応援したくなる気持ちも湧きました。ここまで逞ましい主人公もホラーというジャンルの中では、非常に貴重ですね。
施設内の迷路化、現実と施設内での時間の変化、1人づつ消えていく仲間たちなど、心霊現象が起きてただ怖がらせるわけではなく、心身共に追い詰められていく恐怖を、見ているこちらも味わえる作りになっているのが、とても良かったです。
もう一度言いますが、なぜここまで評価が低いのかが分かりません。極力過度な演出を入れず、素材そのものを味わってもらいたいという、リアルな恐怖へのこだわりを感じる、個人的良作povホラーでした。
🙇🏻♂️読んでいただきありがとうございました🙇🏻♂️
