フィルムノワールの隠れた名作。1950年代、ハリウッドで吹き荒れた赤狩りの嵐。
それに巻き込まれて39歳で映画界を干されたジョン・ガーフィールドは、そのストレスから心臓発作で亡くなってしまった。
この作品は彼の遺作である。
サスペンスフルな社会派ドラマだった。
ストーリーは至ってシンプル。
強盗を働いて逃亡中の男ニックが、見知らぬ他人の家(両親、年頃の娘ペギー、小さな弟)に上がり込んで立て篭もるだけ。
たまたま逃亡中に出会ったペギーは、まさかニックが強盗犯などと夢にも思わず家に入れてしまう。
家族は平凡ながら温かい家庭。
家庭の愛情を知らずに育ったニックは、他人を信用せず、被害妄想が強く癇癪持ち。
ペギーの家族は怯えやがらも料理をふるまったり騒がないよにする。どちらも極限状態でありながら、どこか優しさがあり、挙げ句の果てにペギーがニックに愛情を持ってしまう...
77分で観終える優秀なサスペンス劇場でした。
※ポケ文太郎さん、ありがとう。