富豪のホプキンス、その若い妻と不倫するファッションカメラマンのボールドウィンが人喰いグマの雪山で遭難。いくらでも面白くなるのにあまりイメージの良くないタマホリ監督が終始真面目な顔で撮っている。常に冷静で謙虚でスキのない人格者のホプキンスが腹立つしサバイバル知識を5分ごとに披露、氷で火をつける方法を知ってるか？って返事するまで延々リピートするうざい人の話術。反応したら負けのやつ。口を開けばなにかと金の話、チャラついた俗物ボールドウィンをもちろん応援。でも落ち込んでたのにウォール街風のメンタルコントロール術（ポジティブなセリフを復唱して叫ぶアレ）で簡単に元気にさせられたりピュアなのでますます好きになる。つい自分を卑下したくなる気持ちもわかる全然ダメなボールドウィン。手仕事の罠に槍、熊ジビエ、マタギファッションも楽しいけど集まった記者にデカい演説を打つホプキンス、最後まで申し分なく厭味。あからさまに厭味じゃないところが良い。
