しゅん

ロング・グッドバイのしゅんのレビュー・感想・評価

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
-
なんかずっと眠かったのでちょくちょくシーン見逃していると思うが、一体何回壁や地面にマッチ擦って火をつけたのだろう。数えただけで7回はあった。

猫映画かと思いきや、セックスする犬、海から杖を救う犬が映る犬映画でもある。ズームインしていくキャメラの連続。そこに映る大波、殴打の暴力性。だけど漂う気だるさ。眠気と暴力の混交が、エリオット・グールド演じるフィリップ・マーロウの存在と呼応する。警官も女も友人も信用ならない環境でマーロウは怒りをじっと耐えていて、踊りながら去るラストにも怒りが燻る。猫も戻らない。

オーガスティンの家来のマッチョ、シュワルツネッガーだったのか。それにしてもわかりやすく『インヒアレント・ヴァイス』の父であった。
しゅん

しゅん