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ロング・グッドバイのjonajonaのレビュー・感想・評価

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
5.0
このDVDのジャケットかっこよすぎ。
TUTAYA行くと、今さら借り直す気はなくてもこのジャケットが観たくて一旦手に取ります。いやぁ渋い…笑

探偵フィリップマーロウの活躍を描く
ハードボイルド映画。
私立探偵のマーロウは、友人テリーに妻殺しの容疑がかかり警察から手酷い調書を取られ、さらにテリーに用があるギャングにまでつけ狙われるハメに。
そして失踪した友人テリーが遠くの地で死んでいたことを知らされ、宙ぶらりんの心のままある小説家の妻から依頼を受けるのだが…

かなり複雑なストーリーで一度見ただけでは理解は追いつかなかったんだけど、映像のおしゃれさと軽妙なテンポには一発目から持ってかれた。
なにこのおしゃれ映画。斎藤工さんがWOWWOWの映画工房で言ってたのを聞いて気づいたけど、オープニング歌手・ジャンルの異なる色んなバージョンの『ロンググッドバイ』がつぎはぎみたいに繋ぎ合わさって一つの曲になってる。かっこい。
音楽使いもキャラクターたちの生活感を感じさせる無駄のないカットも全部心地いい。もっと探せば素敵なディテールが見つかるのかもしれない。

なにより主人公マーロウのキャラクター。友人の嫌疑で殴られたりとばっちりを受けながらも、彼は飄々として警察に悪態を吐く。隣の家のヒッピーたちに誘惑されてもやれやれと笑って首を振る。ギャングや身勝手な文豪、相手が誰でも自分のスタイルは崩さない。悪人が出てくるけど、なぜか憎めない空気感なのはおそらくマーロウがそこまで彼らを憎んでいないからだと思う。エリオットグールドが素晴らしい。

そんな彼が、信じてたものに裏切られて『長いお別れ』を告げたあと、悲しみに打ちひしがれるのかと思いきや爽快なエンディング曲が流れ街ゆく女性と踊り出す。こんなかっこいい映画を僕は知らない。

【追記】
雨に濡れた鋪道と二本立て上映を見に行く。前作の衝撃がすさまじくてこっち見てる間もちょっと引き攣られた笑
映画館でロンググッドバイがみれるなんて幸せな1日だった。
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