ハマジン

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間のハマジンのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

TVが派手にぶっ壊される冒頭、TVシリーズに対するリンチ&フロストの鬱憤晴らしに「おっ『悲愁物語』か!?」と高揚。全身に「意味」をまとった「いとこのリル」が示すとおり、リラダンばりに「意味?そんなものFBIにまかせておけ」としょっぱなからカマしてくれる映画なので、安心して身を任せられる。ドラマ版に比べ全体的に荒廃度が増してるのもよい。敵対的な保安官、おすすめ料理なしのさびれたダイナー、埃だらけの薄汚いトレーラーハウス。
12歳から性的虐待を受け続けたコカイン漬けの娘が見る最期の悪夢。ラリッたローラが脳漿飛び散る死体を見て思わず吹き出しゲラゲラ笑うところの狂いっぷりがヤバい。混濁した意識の中、絵の中の天使が消え去ってしまったことに気付くくだりの大きな哀しみと、死をもってようやく訪れる救済=天使との再会。のちの『マルホランド・ドライブ』『インランド・エンパイア』に連なる「虐げられるブロンド女性(woman in Trouble)=娼婦=女優」の系譜で、本作が一番陰惨だと思う。好き。
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