円柱野郎

大統領の陰謀の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

大統領の陰謀(1976年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

様々な圧力の中、ウォーターゲート事件の真相を地道な取材によって明らかにしていった、新聞記者二人の実話を描いたサスペンス。

ウォーターゲート事件は当時のアメリカ人にとっては常識。
劇中ではこの事件についての説明は特になく、時系列に沿って記者と同じ目線で事件を追っていくことになる。
なので、この作品を観るに当たっては事件の予備知識がかなり必要になります。
俺もざっと調べてから観たけど、次から次に出てくる膨大な固有名詞には、ついて行くのがやっと。
でもそれに振り落とされなければ次第に明らかになっていく様の爽快感はあります。

様々な圧力の中で取材を進める主人公達や、部下を信頼する上司の姿にはハッとするモノがある。
真のジャーナリズムとはこういった姿なのだろう…ね。
ラストはちょっとあっけない気もしたけど、タイプライターの音に力強さを感じるし、記事が生まれることこそ報道人の真の戦いなのだという締めくくりには良いと思いました。

随所で使われるゆっくりしたズームの画が印象的。
原題は“All The President's Men”だけど、これも皮肉が効いていて良いです。
円柱野郎

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