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大統領の陰謀のcatmanのレビュー・感想・評価

大統領の陰謀(1976年製作の映画)
4.0
『ペンタゴンペーパーズ』に続いての鑑賞。ウォーターゲート事件は1972年、原作の出版が1974年、本作は1976年公開。ほぼリアルタイムと言って良いくらいのタイミングでの映画化。当時の空気感が圧倒的にリアルで、高度に進化した現代のプロダクションデザインやCGI、優れた衣装やメイクでも本物には及ばないことを改めて実感(それはそう)。70sのフィルムのザラついた質感と現代の高解像度映像が与える印象の違いも大きい。キャストについては自分の贔屓目もあるとは思うけど、やっぱり昔の俳優は個性豊かで味わい深い。特にマーティン・バルサムやジャック・ウォーデンといった爺さん達が最高。ハル・ホルブルックがディープ・スロートという配役は俺得。『ペンタゴン〜』でトム・ハンクスが演じたブラッドリー役も、本作のジェイソン・ロバーズは癖が強く存在感があって素晴らしい。デヴィッド・シャイアの音楽も控えめながら凄く良い。

ただ正直に言うと、登場人物が多くて誰が誰なのか名前と顔が一致しない上に相関関係も把握出来ず、自分の知識と理解が映画に追い付かない。ウォーターゲート事件について詳細を未確認のまま観たらドロップアウト必至。とはいえ、こういう映画は親切な説明を差し挟む必要(余地)は無いのでこれで良いのだと思う。
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