ハンコ課長

大統領の陰謀のハンコ課長のレビュー・感想・評価

大統領の陰謀(1976年製作の映画)
3.2
ウォーター•ゲート事件の全容を暴いて行こうとする記者たちの物語。

最初ほんの少し違和感を持ったことをちょっとずつちょっとずつ紐解いて行き、やがて組織ぐるみの巨悪へと辿り着く。
残念なのは本丸の記事を載せてから、いざチェックメイトの過程が淡々とタイプライターの文字だけで表されたことですね。

しかしこの映画の醍醐味は、何といっても演出方法だろう。
特に電話をしているシーン!!
延々と長回しで撮り、一人の電話が終わってまた別の人に電話してたら、さっきの人からもう一回かかってきてそれを受けたり、てんやわんやの描写が上手い!
また事件の進展を記者のメモのアップで逐一追って行くのも臨場感がある。

右半分が手前の人物にピントが合ってて、左は奥の人たちにピントが合っていたりなど、チャレンジングな技術が鼻につくことなく効果をあげている。

また悪役描写にありがちな駐車場のネタ元が、目元にほんの少しだけライトが当たっていて不穏感丸出しなところとか、
記者の2人が編集長まで駆け寄るところを長いドリーショットを使ったり、
カメラマン優秀やなって思ったら、『ゴッド•ファーザー』のカメラマンだったのね。やっぱり光の使い方とか秀逸だわ!

お気に入りはやっぱり、
社内の女性に「元カレからネタを引っ張って来て」
とお願いしてやっぱり引き下がるものの、見事にその女性が記者根性を出して名簿を手に入れるところでしたね。
ハンコ課長

ハンコ課長