新聞記者映画の最高峰。ウォーターゲート事件の真相を突き止めニクソン大統領を失脚に到らしめた二人の新聞記者の実録。監督は「ソフィーの選択」(1982)のアラン・J・パクラ。
1972年、ウォーターゲート・ビルの民主党本部に侵入事件が発生。ワシントンポスト紙のウッドワード記者(ロバート・レッドフォード)は侵入泥棒たちの地味な審問に疑念を抱き、同僚のバーンスタイン記者(ダスティン・ホフマン)と共に調査を開始する。。。
真相に挑む地道な取材模様を、長回しや並行ドリーの緩急と歯切れの良い編集で、緊張感の止まないサスペンスに仕上げている。
感傷に頼りすぎない演出と陰影のある画作りはフィルム・ノワールのアップデート版と言える。一方、さりげなくも意味の強い構図が続出し、後の映画制作者に多大な影響を与えたことにも納得。
進行と共に醸し出されるバディ感、厳しく漢気のある編集デスク、謎の情報提供者”ディープスロート”と、シナリオも手際よく配役もマッチしていた。
派手ではないが見応えのある、大人向けのポリティカルサスペンス。