ファントムの服従せざるを得ない圧のある歌声に惹き込まれた。
音楽を教えこんだクリスティーヌは、ファントムが惚れ込んだだけあって抜群の歌唱力。
2人の関係性も歌の対話で伝わってくる。
クリスティーヌに仮面を剥ぎ取れた醜いファントムは怒りを噴出するが、美しく才能があるクリスティーヌに憧れを抱いて嫉妬に狂っているように見える。
クリスティーヌはファントムに対して、
歌の師であって尊敬はあるが、素性が知れないので恐れもある。
醜い容姿やクリスティーヌだけに固執するところに、哀れさや慈しみも感じ離れ難く感じている。
クリスティーヌは幼なじみラウルの落ち着きのある声に安心感を感じ、惹かれる気持ちもよく分かる。
冷静に見ると話に進展はなく、
ラストもよく分からないが、
3人の感情の起伏だけで満足感のある大作になっている。
そして、贅を尽くしたセットや衣裳も素晴らしい。
シャンデリアも豪勢に火花が飛ぶ仕掛けで大迫力。
終演後も大サービス。
初代クリスティーヌ役のサラ・ブライトマンと各国のレジェンドファントムが一同に会して、
歌い上げてくれるので、
最高潮の気分にさせてくれた。
「Sing!」