ジェイコブ

トップ・シークレットのジェイコブのレビュー・感想・評価

トップ・シークレット(1984年製作の映画)
4.2
アメリカで大人気のロック歌手ニック・リバースは、東ドイツで開かれる音楽フェスティバルに急遽代打出演が決まる。アメリカを代表して出演することになるニックだったが、彼にその自覚はなく、自由奔放な音楽と態度で早速東ドイツ警察から目をつけられてしまう。ニックは独裁国家の現状を目の当たりにし、思い描いていた楽しい旅行とならずヤキモキする中、レジスタンスの中心的存在であるヒラリーと出会い、恋に落ちる……。
それっぽいあらすじを書いてはみたものの、中身はくだらなさ満点のアメリカンコメディ。全く予習せずに観た人は、初っ端から、説明なしに始まるコメディ展開に一体何が始まった? え、どういうこと? と思うことの連続だろう。
最狂絶叫計画や裸の銃を持つ男のジム・エイブラムスとザッカー兄弟が監督という時点でどういう内容かは想像できる笑。エルビス・プレスリーのパロディや、黒人をチョコレートムースと言ったり、牛にレイプされる男など、今撮ったら、各団体からのクレームがおぞましい事になりそうな不謹慎さ笑。ただ、公開されたのがまだ米ソ冷戦下の頃であり、東ドイツが列記として存在していた事を考えると、権力批判の映画とも見て取れる。くだらないギャグで権力者や体制を笑い飛ばすという意味では、チャップリンにも通じるところがある……というと、褒め過ぎな気もするが笑
観たところで得られる教訓はないものの、落ち込んだ時とかに何も考えずに笑いたい映画。