誰が見ても上手くいかなそうに見える男女がイチャイチャしたのも束の間、次の瞬間にはケンカを始める。その繰り返しに飽き飽きしながらも最後が気になってしまった。
駐車係の職に就く孤独な男、モスコウィッツ。
見た目は、長髪に髭面という汚らしい格好。
彼は寂しさを紛らわすために誰彼構わず人に絡み、邪険に扱われると頭に血が上り暴言吐き捨てるあまり関わりたくない輩。
一方、容姿端麗で育ちはよいが、自分には不釣り合いな人間をすぐに見下してしまうミニー。
不倫相手との関係に終わり見え、疲れ切っている。
そんな2人が出会うが、当然うまくいく訳がない。
自分が愛を伝えることに必死で、
ミニーの気持ちなど何も考えていないモスコウィッツ。
好みのタイプでもないのに言い寄られると、なびいてしまうミニー。
お互いどこに惹かれるところがあるのか分からないが、結局一緒にいるから不思議だった。
この二人以外にも難癖がある人々が出てくる。
自分の世界に酔って若者のことを馬鹿にする中年男、
子供が嫌がっているのに脅迫するかのように嫌いな物を食べさせようとする母親、
女性と話すのが苦手で自分の不幸話ばかり熱弁するおっさんなど、
生々しい悩みを持った生きずらそうな人ばかりで、後味が悪い。
ロマンチックさはない、すごくドライで現実的な内容。
実際、当事者になると感情的になって冷静に物を考えられないのだろう。
唯一冷静なのは、息子は結婚相手に相応しくないとミニー母娘に諭すモスコウィッツの母親だけだった。