湯っ子

流されて…の湯っ子のレビュー・感想・評価

流されて…(1974年製作の映画)
3.5
10代から20代の頃、山田詠美が大好きだった。
彼女がお勧め映画としてあげていたこの作品をふと思い出し、配信にて鑑賞。
ヨットを貸し切るブルジョワ夫人と、その使用人が無人島に流されて、主従関係の逆転が起こるという筋書き。思ったよりもコメディタッチで、社会派?の映画だったような。

ブルジョワ夫人が、最初っから高慢でヒステリックで本当に嫌な女だったから、使用人の男が黙って耐えてる時には、早くガツンといったれと思っていた。男が女を服従させるポイントが、サバイバル能力と暴力なんだけど、どっちかというと暴力の比率が高いのがムカついたので、女がけっこう長いこと頑張って反抗していたのを見て、こいつ根性あるな〜、と見直した。それでも結局、ほだされて、ご主人様!みたいになるんだけど。
これが、サバイバル能力と誠実な態度で惚れさせ、女をメロメロにさせているようだったら、本当にエロいラブストーリーになってしまうから、たぶんこの映画の主旨とは違うんだろうな。
ブルジョワVSプロレタリアやら、資本主義VS共産主義やらのせめぎ合いを描き、両者は結局相容れないというところに落ち着く話みたい。

終わり方は、まあそうだよね〜、って感じ。
男の方が、夢から覚めるのに時間がかかるのかな。
湯っ子

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