うにたべたい

ウルトラマン 恐怖のルート87のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.7
ウルトラマン放映終了から20年以上経った1989年4月上映された劇場版ウルトラマン。
ウルトラマン作品4作が同時上映された『ウルトラマン大会(フェスティバル)』の中の一作です。
なお、ウルトラマンフェスティバルはウルトラマンUSAがメインです。
ウルトラマンUSAは、アメリカと共同制作のアニメ版ウルトラマンという異色作なので、それだけだと弱いため、ウルトラマンやウルトラマンAを同時上映させたのだろうなと思います。

同時上映されたウルトラマンA同様、オリジナルではなく過去作品のブローアップ版です。
ウルトラマン 第20話『恐怖のルート87』のブローアップ版で、登場怪獣は高原竜ヒドラですね。
ある深夜に、公園の動物たちが騒ぎ出し、大室山山頂が昼間のような光に覆われます。
通報を受けて現場に駆けつけるMATだが、その頃、本部司令室では謎の少年が現れ、フジ隊員に「高源竜ヒドラが暴れる」ことを告げて姿を消す。
その話を聞いた現場のムラマツ、ハヤタは、高原に飾られた巨大な翼竜「ヒドラ」の像を見ていた。
調べを進めるうちに、そのヒドラの像をデザインしたのは、司令室に現れたあの少年で、トラックに轢かれて死んでいたことがわかった。
そして、山から巨大な怪獣が現れ、トラックを襲い始める、という展開です。

Aを直前まで見ていて時代の隔たりがあるため、怪獣の造形や動作にチープさに時代を感じましたが、話のテンポが格段に良くてとにかくおもしろかった。
セブン以降のウルトラマンでは怪獣がなぜ現れたのか、なぜ倒さねばならないのかといった理由付けができていない回が珍しくないです。
毎話毎話、30分という尺の中で怪獣が登場し、光の巨人がピンチに陥りながらも辛勝せねばならないため、ある程度は『お約束的に怪獣が出て、怪獣が出たから倒す』という展開になってしまうのですが、初代ウルトラマンは構成がうまく今見ても全然楽しめますね。

ただ、ヒドラ結構暴れまわってて、罪のないトラックを運転手ごと破壊して回ってるので、いい話でしめるのは少し違和感がありました。
言いたいことはわかるのですが、最後は"それは正義なのか"疑問に思います。

ヒドラといえば、舞台になった伊豆シャボテン公園ですね。
作中に出てきたヒドラの像は、2023年3月現在も現存しているとか。
そのうち、聖地巡礼に赴きたいです。