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ゴッドファーザーのnagarebosiのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.9
傑作!
とにかく素晴らしい!

マフィアの世界ですが、そこに描かれているのは家族のドラマであり、それぞれの愛であり成長の物語なのです。

アル・パチーノさんが最近のオーバーアクトではなく感情を抑えた演技に深みがあり却って、この人物の奥底にある怖さが表現されていて素晴らしいです。
ブランドさんの慈父のようでいて、いざとなると威圧感たっぷりのドン、でも後半の孫を相手に遊ぶ時のあの優しさ等、軒並み役者さん達も好演、名演。
ラスト、ダイアンさんのあらゆる思いが去来した表情を映しながらドアがパタンと静かに閉じられるカットで終わりを告げるエンディング。観ているこちらも同じくあらゆる感情を抱きながら深い余韻に浸れました。

美術も、40年代後半から50年代前半にかけての街並みや衣装、メイクや髪型等が忠実に描かれていて見事!
それを映しとるゴードン・ウィリスの撮影がこれまた素晴らしい!さすが光と闇の魔術師と謂われるだけのことがあります。画角、照明、色彩が完璧に計算されただただ美しく魅入ってしまいます。カメラ・オペレーターがマイケル・チャップマンなのも驚き。
ただ、少し唐突な展開があったので、そこがマイナス…かな、と。それを差し引いてもコッポラ監督の演出はずば抜けてスゴいです。雇われ監督のはずがこれほどの力を発揮するとは誰も思わなかったでしょう。

全てが本作のテーマにマッチしてこの傑作が生まれたんですね。
必見!

しかし、カルロは観ていて腹が立ちました。奥さんに暴力ふるって何がいいんだ?気持ちが分からん…。役者さんに罪はないんですけどね。