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ゴッドファーザーのCANACOのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
3.9
当時29歳。まだ知名度が高くなかったフランシス・フォード・コッポラ監督が、パラマウント・ピクチャーズに監督能力を疑われながら撮った“背水の陣&一発逆転”作品。結果は、アカデミー作品賞、同脚色賞、同主演男優賞(しかしマーロン・ブロンドは辞退)受賞。映画の歴史を変える代表作になった。

「ゴッドファーザー」と呼ばれたマフィアのボス・ヴィトー・コルレオーネと、その子どもたち、特に次男のマイケルを描いた有名すぎる物語。世界のマフィア映画の中で、おそらく最も腕の悪い殺し屋が大事なシーンで登板する作品でもある。
1は、ある抗争を機に、カタギだったマイケルが“覚醒”し、二代目を継ぐまでの話。急に“マフィアの血”が沸き出すマイケルの変貌ぶり。「お前、そんなにキレキャラだったっけ⁉︎」とファミリーもびっくり。観客全員がキレキャラと認定したはずの兄・ソニーを軽く超えて、「やってやんよ」モードになるマイケルの大物感。

コッポラにとって思い出深いシーンは、「トイレのシーン」らしい。パラマウント側がコッポラを認めるきっかけとなった場面だからだという。
トイレから事件までの“間”が凄い。台詞のやりとりや映像ではなく、予定とちょっとズレている“変な間”が緊張感を生み出し、マイケルに対して「何考えてるんだコイツ」と思わせる。そしてこのシーンの終わりには、マイケルの末恐ろしさを観客全員が共有する。

本作は、上梓前にパラマウントと映画化の契約を取り付けたマリオ・プーゾの原作が基になっている。マリオは、コッポラとともに脚本にも携わった。
どちらもイタリア人だが、コッポラが加筆・修正した脚本に、マフィアの生活を熟知しているマリオが手書きであちこちにコメントを加えていったという。

そしてコッポラに、マフィアと親しくならないようアドバイスしたそうだ。
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