ちょげみ

ゴッドファーザーのちょげみのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
3.7
1971年公開のアメリカのマフィア映画。
時代の過渡期にあるマフィアの盛衰を描いている。ゴッドファーザーとは洗礼式での「代父」を示す言葉(カトリックの幼児洗礼では洗礼時に名前が与えられるらしい)とであり「名付け親」という意味でも使われている。
イタリアのマフィアでマフィアのドンをゴッドファーザーと呼ぶのは、作中でも何回か表れているように、新しく生まれた子供の名付け親であるためなのだろうか。

 まずフォーカスを当てているのはコルネオーネ・ファミリー。五大マフィアの中でも彼らは判事や政治関係の方々と太いパイプを持っているらしい。彼らの関係は常に糸を張り詰めたような緊迫状態でファミリーの命運を握っているドンは慎み深く、慎重に、ファミリーの利益を重んじて行動している。その一挙手一投足にファミリーの安寧が託されているためその瞳には苦悩の影が伺える。
そしてファミリー間でのいざこざが発生すると当然誰かがやられるわけだが、いつまでも報復合戦していたら両者のどちらも壊滅的な被害を受けることになる。だからどうやら痛み分けという方略を用いて矛を納めているように見える。

 対立相手との交渉をいかに巧みに、うまくできるか、ということが彼らの生命線でもあり、本分でもある。だからなのか脅し文句や交渉のセリフが実に多様で面白い。
「サインするか脳みそぶちまけるか、どちらかだ」
「ドンは一度断られたら二度目はありませんよ」
「俺は暴力は嫌いなんだ、ビジネスマンだからな、血を流すと高くつく」
「モレド、君は兄貴だ、大好きだ。だが二度と組織に楯突くものの味方はするな」
「シチリア式メッセージだよ。ルカは海の底で眠ってるってことだ。」
「君は友人だ、それを見込んで話をしたい。」
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