クロスケ

ゴッドファーザーのクロスケのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
5.0
【再鑑賞】
もう何度観たことでしょう。
何度観ても色褪せない、それどころか、観るたびに味わいが深みを増していきます。

冒頭の長い結婚パーティーのシーンでは、主要な登場人物たちがほぼ勢揃いして、其々の人間模様が賑やかなモブの中でさり気なく紹介されています。立ち振る舞いを追いかけているだけで楽しいシーンです。

マイケルがソロッツォと警部を撃ち殺すシーンのヒリヒリするような緊張感。中盤のシチリアでの短くも美しい平和な日々。ソニーの壮絶な死。そして、ファミリーのドンに成長していくマイケルを演じるアル・パチーノの色気漂う端正な顔立ち。陰影の効いたゴードン・ウィリスのカメラと
哀愁を帯びたニーノ・ロータの音楽。

語りたいことは山ほどあるのですが、ここではとりあえずラストシーンに触れておきます。
カルロの死に疑惑を持ったケイがマイケルを問い詰めるシーンで、アル・パチーノのワンショットと切り返しで差し込まれるダイアン・キートンの猜疑心と恐怖の入り混じった表情が凄い。
遠い存在になっていくマイケルを、不安そうに見つめるケイをドア越しに捉えたラストショットには思わず唸ってしまいます。

このラストショットを観て、パート2を観ないという選択が出来ましょうか。続編を否が応にも期待せざるを得ない、見事な幕引きです。
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