NaoMaru

ゴッドファーザーのNaoMaruのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.0
フランシス・F・コッポラ監督作品

イタリア系マフィアは、その恐ろしさがきわ立つイメージがある。賭博、売春、飲酒などダークな生業をベースに、暴力と恐怖で支配を拡大したコルレオーネファミリー。いっぽう家族や信仰を大切にし、母親と子供にはめっぽう甘い。マフィアの人間関係、日常生活は思いのほか人情味にあふれていた。

初代ボス、ビトー・コルレオーネは名優マーロン・ブランドが演じた。狡猾で貫禄のある魅力的人物として、控えめな演技が逆に怖さを増した。彼は知人の困りごとを彼流に解決してゆくと、しだいに5大ファミリー筆頭へとのし上がった。麻薬には手を出さないと言う、彼流の意外な倫理観も興味深い。

権力抗争を繰り返す5大ファミリー。少しでもスキを見せたら、手に入れた権益を奪われかねない。喰うか喰われるか。遣られる前に遣るしかないというのか。警察はその幹部さえ買収され、あるファミリーに加担する始末。報復による犠牲者たちは突然の死に驚き、無常という地平の中で静かにねむる。


◇あとがき
本作はゆったりと時間が流れ、重厚さ、完成度がハンパない。この中で俳優の演技は深まりをみせ、唯一無二のコッポラ作品が出来たんやね。
もし私がファミリーの関係者だとしたら「出しゃばり過ぎてはいけない」と肝に誓うんちゃうやろか。出しゃばる者たちは例外なく死んどるからね。
NaoMaru

NaoMaru