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ゴッドファーザーのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.0
かつてニューヨークの暗黒街を牛耳り栄華を極めたイタリア系マフィア《コルレオーネ・ファミリー》。時代の転換点という激流に翻弄される様を『ゴッドファーザー(組織の首領)』の視点から迫る。


Grim Come out to
Grinning Socialize~♩.•
Ghosts † ‎〜𐭜 ᜊ°ཫ° )ᜊ
† ┏┛R.I.P┗┓ †

(^ΦωΦ^ o[ テイタートッツを食べてみ隊 ]o


◆ I believe in America.

合衆国の作家Mario Puzoによる同名ベストセラー小説を名匠Francis Ford Copplaがメガホンを取り映像化した作品。時代の流れに翻弄されるイタリア系マフィアの栄枯盛衰を描いた今作は、日本の古典作品『平家物語』等にも通ずる壮大な叙事詩的であり、ルネサンスを代表する作家シェイクスピアの悲劇に勝るとも劣らないエモーショナルな傑作でした。

物語の前半は、シチリアから大陸へと渡ったのち一代でニューヨーク最大のファミリーを築き上げたVito Corleone(Marlon Brando)其の人にスポットが当たります。彼の娘であるConnie(Talia Shire)の結婚披露宴。ハレの舞台から壁一枚を隔てた首領の書斎では、披露宴を楽しむ参列者たちを他所に、後見人・代父を意味する《ゴッドファーザー》に縋り付く友人たちとの不穏な会話が繰り広げられています。

彼らが《裏社会》に属する人間であることが強調されていたシーンであると共に、首領が如何に求心力・影響力を備えた実力者であるか。そして、家族や身内の繋がりを大切にする義理人情に厚い男である反面、敵対する相手には情け容赦なく脅迫を仕掛ける恐ろしさを持ち合わせている姿が描かれていました。


◆ Never tell anybody outside the family
ーwhat you are thinking again.

絶大な影響力を持ち、多くの尊敬を勝ち得た首領Vito Corleoneには、三人の息子と一人の娘。ドイツにルーツを持つ養子と、冒頭の披露宴で描かれていた娘婿がいます。

︎︎︎︎︎︎☑︎ 腕っ節が強く身内への想いは強いものの、短気で致命的なまでに浅慮な行動を取ってしまう長男Sonny(James Caan)。

︎︎︎︎︎︎☑︎ 胆力に欠け、最大派閥のマフィアに属する人間とは思えないほど争いごとに向かない気弱な次男Fredo(John Cazale)。

︎︎︎︎︎︎☑︎ 容姿端麗・頭脳明晰ながら、家業を離れ日の下で功績をあげる(大学進学・戦争での武勲)三男Michael(Al Pacino)。

︎︎︎︎︎︎☑︎ 首領への強い忠誠心と優秀な弁護士としての手腕から、組織の相談役として重用されている養子Tom Hagen(Robert Duvall)。

︎︎︎︎︎︎☑︎ 家庭で不満を発散させる娘婿のCarlo Rizzi(Gianni Russo)と、夫のDVに苦しみながらも彼を愛する長女Connie。

種々の思惑が交錯する中、偉大な首領による絶対的な家父長制の下に統率されていたファミリーと彼らを取り巻く環境。そこにほんの僅かな綻びが生じてしまった事で、保たれていた均衡が崩れ出し音を立てて崩壊していく様は何とも無常。


◆ I never wanted this for you.

そんな無常の中で産声をあげたのは更なる悲劇の予兆。裏社会の家業から遠ざかり、真っ当な表の世界で成功への道程を歩んでいた筈のMichaelが新たな首領の座に就きます。

頭脳明晰で機知に富み、どんな相手にも怯まぬ胆力を持ち合わせ、Vito Corleone一番のお気に入りであったMichael。その優れた才覚を表舞台で発揮するのではなく、彼は裏社会のボスとして先代のように手腕を振るうこととなるのです。初登場時の軍服姿の彼が、漆黒のマフィアの装いでガールフレンドの前に現れた時、かつてのMichaelは居ないことを痛感しました。かつての彼は、彼が愛したシチリアの女性と共に散ってしまったように感じます。


I work my whole life, I don't apologize, to take care of my family. And I refused to be a fool dancing on the strings held by all of those big shots. That's my life, I don't apologize for that.

ファミリーを守ることに生涯を捧げたこと。大物相手に愚かしく踊らされる事の無かったこと。それが私の人生であり、後悔は無い。


But I always thought that when it was your time, that you would be the one to hold the strings. Senator Corleone, Governor Corleone, something.

だが、お前はどうなるかいつも考えていた。お前は上院議員や知事なんかになって操る人間になると思っていた。


自らの人生を悔いなく終えた暗黒街のボスが《父親としての一面》を垣間見せた瞬間に、驚くほど深い愛情を感じました。

僅か一代で暗黒街のトップまで上り詰めた男は所詮移民の身であり、知事や上院議員といった表の世界の実力者になることは到底叶わなかった。自らがなし得なかった《高み(big shots)》に至るべきは、間違いなく才能豊かな我が子であると信じていた。

そんな彼が、表舞台から裏社会へと降りてきてしまった。人々を操る側から、操られないように戦う立場へ堕ちてしまった。「愛する息子が苦労しないよう、できる限りのアドバイスを与えよう。」そんな元首領の表情には、将来をフイにした息子への悲嘆よりも、自らの跡を継ぐこと選んだ事に対する喜びが浮かんでいるように感じました。


結婚式から始まり、洗礼式で幕を閉じた今作。冒頭で式を挙げた姉の子供の洗礼式で名付親(ゴッドファーザー)になると共に、ファミリーの次期首領(ゴッドファーザー)の座を継いで締めくくる構図に拘りを感じます。マリオネットを模したタイトルロゴの意味に鳥肌がたちました。


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Dear.クラリスちゃん

今回ご一緒ありがとう( ˶ ˆ꒳ˆ˵ )!!
ずっと見たかった作品だったんだけど、
名作と言われる所以がわかったよ(๑°ㅁ°๑)✧

重厚なストーリーだったけど、
クラリスちゃんはどう感じたかな??
レビュー楽しみにしてるね|˙꒳​˙)!!