たこふみ

ゴッドファーザーのたこふみのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.9
まずなんと言っても、「ゴッドファーザー」は素晴らしい俳優たちの映画だ。マーロン・ブランドが素晴らしいことはいうまでもない。ロバート・デュバル(トム・ヘイゲン)、スターリング・ヘイドン(マクラスキー警部)も好きだ。クレメンツァを演じたリチャード・カステラーノ、ソロッツォを演じたアル・レッティエリも良かった。

「ゴッドファーザー」は「光」と「影」の映画でもある。映画は暗闇からのゆっくりとしたフェードインで始まる。その後、ドン・コルレオーネの執務室で男たちが陰謀をめぐらすシーンは暗く重苦しい一方、婚礼シーンは眩しい太陽のもと明るく晴れやかだ。この明暗の対比は、映画全体を通じてみられる大きな特色だと思う。

内容上殺しの場面が多いが、グロすぎず品がある。ルカ・ブラージがバーカウンターで後ろからいきなり絞殺されるシーン。冒頭の婚礼の場面がやや長く感じられる分、目が覚める思いだ。レストランでソロッツォとマクラスキーが射殺されるシーンは、マクラスキーを演じるスターリング・ヘイドンが素晴らしい。ソニー(ジェームズ・カーン)の死に様は何度見ても衝撃的で、カルロの絞殺シーンは足が車のフロントガラスを突き破る描写がリアルで強烈だ。

俳優、映像、演出どれをとっても一級品、自分にとってオールタイムベスト10本に入る映画。
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