サン

ゴッドファーザーのサンのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.2
すごく面白かった。格好いい男とはどうあるべきかというのを考えさせられる
法律以外の基準を自分で明確に持っている人というのは惹かれる
完全にマフィアの人の話かと思ったけれどそうではない。大学出のマイケルがマフィアの世界に足を入れていくから面白さが増している
マイケルのあどけなさを残しながらも器の大きさが感じられる、その矛盾した印象に強くひきつけられた
2度続けて見た。2回目の方が面白さがまして感じた

1回見るだけだと分かりにくかったのは兄貴が多いから
熱い男ソニー、弁護士で相談役のトム、従順なルカ、遊び人のフレド、仮病のポーリ、利口なテシオ、クレメンザ
末っ子のマイケル

男の独白(頼み)からだんだん引いていくカットから始まる

はじめの華々しいパーティが素敵だ
おじさんたちが歌ったり踊るのいいな
おじさんが子供に自分の足を踏んでもらって踊るのもいい

序盤はゴッド・ファーザー(コルレオーネ)の器の大きさが光ってる
歌手のジョニーが相談する時に「男だろ!なんてざまだ!ハリウッドで泣き事を覚えてきたのか」って怒れるのいいパパやな
「ひどい顔だしっかり食え、何もかも忘れろ」
「任せておけ」とフォローできるのが大きい男
ソニーの不貞を察し呼び出して「家庭を大切にしない奴は男じゃない」って怒れるのがいい
カルロを「生活は見てやるがファミリーに入れない」というドンの采配

ポーリが始末される場面。車の走っていく撮り方もかっこいいんだけれど「お前屁をこいただろ」とか笑い合ってた後にきれいな流れで殺し、何事もなかったかのように振る舞うところに不気味さを感じる

ゴッドファーザーの病室を移動させるシーン、ホラーのようなドキドキがある

マイケルの殺す前の目の泳ぎ方、殺した後の歩き方、電車のブレーキのような音

コルレオーネは「麻薬だからだ、あれは我々も破滅させる。ギャンブルや酒や女とは違う。酒や女は教会は禁止しても人々は求めている
警察ですら賭博などは目をつぶるが麻薬はそうはいかん」
こういう教会や法律以外の基準を自分で明確に持っている人というのは惹かれる

久々に会った元恋人ケイにI need you and I love youを言うマイケルの目が怖すぎる

孫とコルレオーネが遊ぶシーン
「いいものがある、おいで」と言って手を引いてから切ったオレンジを口に挟んだ怖い顔で驚かせる。怪獣ごっこしてあげるの微笑ましい

父の葬儀の時でもマイケルの目は悲しみに暮れることなく緊張感をもった目をしてる
「クセでな気を抜くことができん、男は油断をしてはいかん」
これからもあの眼を保ち続けるんだろう

カルロを殺した後のマイケル歩き方がまだあどけないように感じる、それがいい
この映画は大学出のマイケルがマフィアの世界に入っていく様を見れるのもいい
あどけなさを残しながらも器の大きさを感じる、その矛盾した印象にひきつけられた

最後のケイへのマイケルの対応、「今回だけ答えてやる」これもまたいい

バルジーニがコルレオーネを「言葉を大切にする男だ」という。
言葉を大切にする人こそ尊敬できる。自分も頭の中にゴッドファーザーという相談役を持ちたい
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