あと数年で公開から50年経とうとしているとはとても思えない程に未だ鮮烈な、コッポラ版山猫とも言うべき傑作。
どこを切り取っても溜息が出るくらい素晴らしい映像と演出ばかりだけど、特にアル・パチーノ演じるマイケルが大物二人を殺す場面と終盤の洗礼の場面における演出は見る度に震える。
イタリア系マフィアを描いている故かコッポラが尊敬する黒澤明の要素よりヴィスコンティの要素の方が強く感じられたけど、それは山猫のように文芸性があって格調高いことの証でもあるから、そういうものに見応えを覚える傾向がある身としてはそこが良くも思える。
マーロン・ブランドにアル・パチーノ、ロバート・デュヴァルと俳優らもキャリアベストと呼べる仕事をしているから、俳優の熱演に弱くもある自分にはこの点も満足度が高かった。
3時間弱だからそんな頻繁に通しては見られないけれども、テレビで放送しているときに見ようと思ったらその度画面に目が釘付けになって見るのがやめられなくなるから困る。
て言うか改めて見ても名シーンしか無くてやべえなこの映画。