ろく

スタアのろくのレビュー・感想・評価

スタア(1986年製作の映画)
4.2
天上天下筒井独尊①

筒井康隆強化ウィークです(勝手に決めた)。

小説家としての筒井大好きです!全集持ってます。著作はたぶん全てあります。そんなツツイストを自認する私めが贈る筒井康隆「しょーもな」映画。でもこんな映画観たことないはずですよ。まだ観てない人は是非見て茫然自若発狂放尿になるべきです。

第1弾はもはやモラルの欠片もないこの作品。みんな「狂ってます」。あ、よくない言葉だけど、この映画ではいつも「狂っている」が連呼されます。

主役は人殺しだし、脇役も人殺しだし、みんな不倫しているし、経験ろくなもんでないし、自分大好きだし。はい、感情移入の欠片もできません。そしてそんな「狂った」映画に集うのはこれぞよく集めたの豪華出演陣。ああ、もう最悪だよ!

というわけでここからネタバレ。出演陣のどうだどうだ。

主役…原田大二郎。もう、すぐ長セリフ。自分のために愛人殺してしまって、その赤ん坊も邪魔だから料理して食べさせちゃう。サイコパスなはずだけど今作では一番まともかも。

ヒロイン……水沢アキ。抜群に可愛い(それはさておき)。やっぱり不倫する。そして過去はサイテー女(今は女優という設定)。美人だからなんでも赦せる。

峰岸徹……ただただ不倫男は健在。死ぬときに目を見開く演技はもはや名人芸。

タモリ……ヒットラーで出演(おいおい)。

坂田明……水沢の昔の情夫役。なぜか着流し。

山下洋輔……ピアノを劇中でも弾いてくれる。嬉しい。今作の音楽監修。「人間を食べたことがあるんだが」と延々と言う。怖い。

南伸坊……なぜか最後ターザンに。似合っている。

山藤章二……裸の女の前にいたあげくパイ投げの餌食。

イブ……当時の大AV女優。当然ほぼ全裸。

和田アキ子……関西弁。息子殺されて激昂。でもこのメンバーの中では大人しいレベル。

中村誠一……三河屋。演技は笑っちゃうほど下手。でもいいんです、サックス吹きだから。

梨元勝……恐縮でーす。後藤を待ちながら(当然「ゴドーを待ちながら」のギャグ)。

筒井康隆……作者自らマッドサイエンティスト役で出演。流石東映ニューフェースに受かったことある(筒井ファンなら常識)。でも演技はそんなにうまくない。むしろ過剰すぎるので苦笑しかでない。ほかの人の見せ場でも無駄に動く。


どうです。一言でいえば「カオス」。もうなんだこりゃーって感じになります。でも絶対見たことないような映画です。僕ですか?好きなんです。だってしょうがないじゃない。
ろく

ろく