ギルド

無言歌のギルドのレビュー・感想・評価

無言歌(2010年製作の映画)
3.6
【貧困による諦念と希望を疑似ドキュメンタリーで描く】
反右派闘争で餓死した夫の亡骸を探そうとする妻を描いたヒューマンドラマ映画。

中国の掲げた百家争鳴に乗せられた人々が反右派闘争によってゴビ砂漠の収容所に収監され、劣悪な環境下で地獄のような出来事を受けた事実をフィクションに仕立てた作品です。

元々がドキュメンタリー映画出身だけあって撮影のリアリティが強く、そこに人々が実在するような感覚になります。
貧困描写は特に凄くて、当時起こった大飢饉によって雑草・小動物・吐瀉物でさえも食い繋ぐ姿は他の映画では見たことがなくて強烈でしたね…

この映画を多くの人に勧めるほど面白い!と言える類の映画ではなくて、むしろ中国の実情を知る意味で「学ぶ映画」として見るのが良いと思います。
実際この映画で起こる貧困描写や生と死の間は生存者からの証言を基に描かれていて、その証言も間接的に惨いので「死霊魂」とセットで鑑賞して欲しいです。
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