方眼

西部の男の方眼のレビュー・感想・評価

西部の男(1940年製作の映画)
4.0
1940年”The Westerner”。19世紀末にテキサスに実在した判事ロイ・ビーンを軸に、史実と虚構を組み合わせた西部劇。酒場で適当な裁判をする、陪審員は上客、死人から罰金取る、法律書と拳銃、女優リリー・ラングトリーにゾッコンなどは実話。バー外観も実物写真そっくりに仕上げてある。クーパー演じるハンサム・コール周りはフィクション。前半のゆるーい展開でこれは珍品の類かと我慢して観てたが、いったんの農民と牛追いの和解以降は、さすが名匠。ビーン判事とコールの友情と小さなダマしあいが、全体の味わいを決めていて、ウォルター・ブレナンのアカデミーも納得。タイトルも主人公のことだけでなく、壁を作り分断も厭わない連中をも指す。前半と後半のトーン差、主人公が農民に肩入れなど、黒澤明「わが青春に悔なし」への影響あり。
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