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ルパン三世 カリオストロの城のtakehiのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

懐かしの高校生映画日記
(久々にテレビ放送の録画を観て思い出したこと)
2021,11,15yahoo映画に投稿

・1979年の作品、当時私は高校生
前年は超爆発的SF映画ブームでスターウォーズ、未知との遭遇に熱狂、TVアニメ未来少年コナンではギガントに衝撃。 
79年同年には太陽を盗んだ男、エイリアン、TVアニメのガンダムに出会い、その年末作品がカリ城でした。 
その他 酔拳、マッドマックス、戦国自衛隊、革新的娯楽作品がひしめいていた凄い時期です。 
原作未読ですが1stルパンのTV再放送を鬼リピ鑑賞、大人の事情で宮崎監督は途中参加、TVルパンは複数の監督がいて世界観が変化していった事はアニメ雑誌で理解してました。 

・テレビC Mを見た
大人っぽく太っとい音のジャズに乗ってのカーアクション、カッカッカッドッカーンってリズム良く手榴弾が道路を転げては爆発!絶妙なハンドルさばきで直撃を避けるルパン。
明らかに絵が凄い!(この時点では宮崎駿作品とは意識していなかった)
絶対見ようと決め冬休み夕刻の映画館で1人観戦。 

・オープニングからすでに傑作の予感 
大金をカジノから盗み出し障害物競争の様にふわっとジャンプして仲良く走り逃げる、そして超大量な偽札をヤケクソになって捨てるルパンと次元に笑。 
タイトルロールのドライブシーンでの実写の様な描写、フィアットのボディに映り込む夕景が美しい。 
早朝出発シーン煙草の火を付けるルパン、煙草をポイ捨てする次元、ナンバープレートとブレーキランプが点灯、、一連の美しい流れと質感に感動。こんな緻密な描写のアニメ見た事ない、傑作の予感にワクワク!
 
・私がこの映画へ恋?に落ちた瞬間 
地下牢からの脱出逃走、火事で大混乱の城。
サンバのリズム、軽やかなフルートの調べ(名曲サンバ・テンペラード)に乗って城外を駆け上がるロングショットのルパンと銭形、ジャンプしながらクラリスに手を振るルパンに鳥肌が立ちました。 
優しくて、切なくて、かつユーモラスで高揚感まであるアクションシーンなんて観た事ないよ!! この映画に恋をした瞬間でした。そうゆう表現してしまう、私はやはりオタクなのでしょう 今までで一番好きな映画かも!。 
その直後撃たれるルパンの衝撃、ルパンを守るクラリスの健気さ、ギリギリの状況の中ルパンを助ける不二子!アクションのたたみかけに驚愕と興奮しかないのでした。 

・ルパン名場面 
偽指輪を制作し道具を超手際良く片付ける姿に感心。 
影軍団の不気味な立ち振る舞い、指先がジャキッと鋭く伸びる!怖え! 
投げ渡されたハンマーの重さに耐えきれず床に落としそうになるルパンに笑 影軍団を迎え待つルパンのくるならきやがれなヤンチャな表情に痺れる。フィアットのバンパーに残った影の爪を慎重に取捨てるルパン、爪には毒でも塗っているの? サスペンスフルなシーンにも関わらず噴水の水を通して歪むルパンや銭形の顔に笑  お城のとんがり屋根の上、百円ライター未着火でワイヤー付き小型ロケットを落とすシーンのドキドキハラハラからのクラリスのいる部屋へ向かって3段?大ジャンプで呆気にとられて、一瞬何が起きたかわからなくて、、無事到着している事に気づいた時私は手を叩いての大笑(他のお客様も結構声だして笑っていた記憶です)
クラリスに手品を披露して仲良くなる時の下品なバカ笑いするルパンがらしくて良い。 直立不動で地下へ落下、不敵な表情のまま微動だせず落ちゆくルパンのカッコ良さったら!  

・ルパンファミリーの活躍 
五右衛門の『今宵の斬鉄剣の切れ味は一味違うぞ』不二子の『まさか(ルパンを)捨てたの!』各キャラ史上に残る名台詞が続出。 

・色と欲にまみれたカリオストロ公爵
その最側近ジョドーとの以心伝心な関係が超クール「(当てずに)撃て」「お叱りは後で、、」無駄なセリフ無し! 最後の最後まで嫌らしくて卑怯で最高の悪役の公爵!時計台の針に挟まれての最期の姿が残酷、そしてチョキッて音効がちょっ笑

・いつもはコメディメーカーの銭形警部が実直で漢でカッコ良い
正義のためルパンや不二子と共闘する面白さ。わざとらしい棒読みで偽札犯罪を生中継で世界へ知らしめるその姿に爆笑!最後の名台詞?をクラリスに語るその言わされている感&ウインクも嫌いじゃないよ。 
お別れシーン埼玉県警の機動隊員達もクラリスに手をふったりする微笑ましさ(宮崎監督ってモブキャラにも手抜き無し)
 
・エンディング なんて気持ちの良い連中なのだろう、、
映画が終わらないで永遠に続いてほしいと高校生の私は思ったよ。。最高の面白さを持った映画との出会いに本当に拍手して見終えました、感謝感激雨あられです!
全てが工夫を凝らした場面設計で、東映アニメーション、1stルパン創作で培った当時の宮崎監督の総決算な奇跡的作品です。 あまりの面白さに弟と妹を連れてまた観に行きましたし、その後名画座では幼少のとき見たパンダコパンダの2作品との同時上映を観たりして面白凄さを何度も飽きるまで堪能したものでした。 

・宮崎監督としてはカリ城の製作の遅れにより出来なかった事があるとかで、時計台内部シーンを書換えたり、オートジャイロ戦闘シーンを削ったり、、ぜひ完全版観たかったな。ついでに次回作で実現できなかった押井守監督のルパン映画も見たかったな!  
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