サイクロプス

ルパン三世 カリオストロの城のサイクロプスのレビュー・感想・評価

5.0
「光と影 再び一つとなりて甦らん… 1517年」
クラリスの山羊模様の指輪には、滅びたゴート文字が刻まれていた

今年がちょうど、500年後
で、期間限定のMX4D版の劇場公開
やるなぁTOHOシネマズ!

もう何度みたか分からないけど、
映画館のスクリーンで見ると一味違う
椅子をやたら揺らすMX4Dは、
ちょっとやり過ぎ感あり
それより、
崖道を駆けるフィアット500、
屋根を走り回るルパン、
音もなく忍び寄る影の軍団、
スクリーン一杯に躍動感が溢れていた


そして、名言のオンパレード
敢えて三つの場面に絞ると、、、

#クラリスが幽閉されてる北の塔にルパンは単身潜入
「どうかこの泥棒めに盗まれてやって下さい…」
一瞬目を輝かせるが、すぐに無理だと諦めてうな垂れるクラリスに即興の手品を披露し
「今は、これが精一杯」
なんてスマートな振る舞い
誰だって付いていこうと思よね

#伯爵に撃たれて負傷したルパン
目覚めた時にはカリオストロ家の結婚式が明日に迫っている
「血が足りねぇ、なんでもいい。じゃんじゃん持ってこい!」
肉の塊とチーズをひとまとめにして豪快に平らげる
『ワンピース』の尾田栄一郎は、絶対このシーンをオマージュしてルフィーにやらせているはず

#エンディング付近、ルパンを追う銭形警部がクラリスに告げる
「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。」
わかっていても、クラリスと一緒に「はい」と応えてしまう


この映画
宮崎駿の初期作品でもある
キャラは驚くほどワンパターン
「カリオストロの城」、「未来少年コナン」、「天空の城ラピュタ」と並べると
クラリス=ラナ=シータのヒロインは、幼い顔がそっくり、内面の強さもそっくり
伯爵=レプカ=ムスカの嫌味なエリートは、小賢しい行動パターンが一緒
主人公ルパン=コナン=パズーは、そろって超人的な跳躍力
あだち充の漫画のような、ある種の安心感さえ醸し出している


カリオストロ公国のモデルは、リヒテンシュタインと言われる
スイスとオーストラリアに囲まれた、人口3万人の小国だ
タックスヘブンで、世界中の富裕層のお金を集めていることで有名
リーマンショック後にはかのスイスも放棄した、
銀行守秘義務を未だに堅持
(お客様の情報は国家にも漏らさない)
なるほど、偽札作りの噂があってもおかしくない


本当に「カリオストロの城」を語り出すと止まらない
何故この映画がここまで脳裏に残るのかというと、
主題歌がいいからじゃないかと思う
『炎のたからもの 』がオープニングとエンディングで流れる
短調で始まり、オーボエが少し物悲しい
この曲が流れると、パブロフの犬のように目頭が熱くなる

最後はこの歌で締めくくりたい
♪幸せをたずねて 私は行きたい
いばらの道も 凍てつく夜も
二人で渡って 行きたい…
https://youtu.be/iMLsqHK7Kls