高橋早苗

ルパン三世 カリオストロの城の高橋早苗のレビュー・感想・評価

3.7
敵役の行動力ってスゴくない?
ねちっこい敵役、結構見惚れる。

いたじゃん、究極の敵役!
銭形。

TVシリーズは、大活躍するルパンの引き立て役的な扱いに見えて
(30分だしね)
リアルに見ていた頃は、子ども心に

 ダメなヤツ代表

みたいに捉えてた。
いつも逃げられるから。

見方が変わったのは
やはりこれ。


「おじさま」ルパンと「姫」クラリスばかり見ていると、なかなか気づけないけど
銭形の、ルパンに対する命の賭け方、尋常じゃない
あきらめるということを知らない

時に、共同戦線を張り
ルパンと行動を共にしながら
生涯の敵として
追い続けている


カリオストロ公国の贋札疑惑を掴むものの
国際世論に揉み消され
任を解かれる

「帰国の準備をしろ」と
部下に伝え ドアを閉める

彼の無念さが現れてるシーン


このあと 不二子からのタレこみで再び 飛び出していくわけだけどw
不二子の台詞が
銭形を象徴してる
「ルパン相手なら
 天下御免で 出動できるんでしょ」


彼は 死んでもルパンを
追うのよね

まさしく天下御免。
「ルパン」と聞けば、誰はばかることなく
国境すら関係なく
堂々と振る舞えるわけね


ラストシーンの名言
『いや ヤツはとんでもないものを盗んでいきました』
という銭形の台詞は

彼自身が
我が指命(ルパン逮捕)を
“盗まれた”とぼやく
ひとりの男の呟きにも聞こえる
(ちょっと、嬉しそうだけどね)


己の使命に、生涯を賭ける男。
ここまで、我が身を賭けられるのは
間違いなく幸せね^_^
高橋早苗

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