夢

アカルイミライの夢のレビュー・感想・評価

アカルイミライ(2002年製作の映画)
5.0
初めて「アカルイミライ」を観たのは高校生の時だった。私自身もとにかく憂鬱で暗いだけの毎日を送っていて、そんな中でこの映画を観たから、若者の苛立ち、憂鬱さ、危うさが切なく感じるこの映画がすごく胸に突き刺さり、自分の今の心情が映画で描かれているようで清々しい気持ちにもなった。

大人になった今、「アカルイミライ」を観て、高校生の頃に感じた時ほど刺激的ではなかったけれど、やはり切なく胸に静かに響く映画だった。
そして10年以上経ってもこの映画の若者の苛立ち、憂鬱さ、危うさが描かれているところに素晴らしさを感じた。
それから終始不気味さを醸し出している浅野忠信さんがとても魅力的。
不安定で自分をコントロール出来ずにいる仁村を演じるオダギリジョーさんの演技と、そんな仁村に寄り添う藤竜也さんの演技も素晴らしい。
この映画はTHE BACK HORNが歌う主題歌「未来」も素敵で、エンドロールを観ていると、いつの時代にも若者がいて、いろんな問題を抱えながらもがき苦しみ自分自身と葛藤して大人になっていくんだなってことが伝わってきて、また切なくなる。
こんなにメッセージ性の強いエンドロールが流れる映画はなかなかないだろうと思う。

「アカルイミライ」、私にとってとても特別で大切な映画の一つ。
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