《ご長寿の映画》Part.Ⅱ。その9。
『13日の金曜日』シリーズ、5作目。
1985年の映画。この頃のアメリカの若者のファッションのダサくてベタな感じ、好き。
ジェイソン、復活。
というか、死んでも死なない。アイスホッケーのマスクがトレードマークの殺人モンスター。
かつては彼の内面にもそれなりに人であった形跡があって理由があったが、もはやここまで来ると理由自体が彼になってると言うか。
ある意味で、真面目一徹にそれのみに特化して、ただただやってきて、ハリケーンの如くただただすべてを飲み込み、薙ぎ倒し、淘汰していく。
前作ですったもんだの果てに生き残ってジェイソンの“狂気”のようなものを受け継いでしまったトミー。
彼の精神が崩壊したまま成長する。そして、ジェイソンの幻影に怯えながら、自らの“狂気”も暗く深い闇の中に押し込めて生きながらえる。
そして、とある田舎の同じような闇を抱えた若者が集まり社会復帰を目指すシェアハウスみたいなところに拾われる。
ところが、、、、そのトミーを追ってか、何なのか。復活したジェイソンが彼の周りに近付いてくる、、、。
そこからはもう、ジェイソン、オン、ザ、ステージ。
その“ワケあり”の若者たちも、シェアハウスの経営者たちも、そのシェアハウスの存在に不満を持つ近所のうるさいおばさん一家も、警察当局の男たちも、何もかも。
誰も彼もが不死身のアイスホッケーマスク男の餌食になっていく。
後半の女の子と黒人少年の抵抗はなかなか見もの。
めちゃくちゃワーキャー言いながらもトラクター起動させたり、チェーンソーでチャンバラしたり。
それでも屈強にのしのし迫ってくるジェイソンに何とか抗う様相を手に汗握りながら応援する。
ただただ生き延びて欲しくて応援する。
最後の最後まで沈黙を貫くトミーも参戦し、テンションマックスのカオス状態のクライマックス。
今回のジェイソン、その正体も実は、、、みたいなこともあって、トミーの幻影のジェイソンもいたり、トミー自体が、、、みたいなこともあって、実はかなりサスペンスとしてもこじれてる定番猟奇ホラー作品、第4弾。
相変わらず“ワケあり”だろうと何だろうと、若い男と女が周りに何もないところに集まれば、それしかすることないのかと言わんばかりにはしゃぎ始める。
綺麗なお姉さんたちのあれやこれや。これもまた定番。
しかし、そんなウキウキムードが漂えば漂うほど、確実に彼が現れ、確実に殺される。いとも簡単に。
これもまた定番。
いつも思うけど、ダッシュで逃げて姿が見えなくなると別のところからガバッと現れる。
ということは、車が何かで姿が見える程度に距離をとって延々と走れば、そこそこの時間と距離を稼げるんじゃないか、と思うが、きっと、そうはできない色々があるのが猟奇ホラー映画の醍醐味、か。
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