Mikiyoshi1986

パリ・ルーヴル美術館の秘密のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

4.5
所蔵品30万点。職員1,200人。
世界一有名な美術館・フランスのルーヴル美術館で働く職員たちを追ったドキュメンタリー。
ナレーションやインタビュー等を一切排し、ひたすらカメラが現場に迫る臨場感。
本当に館内を覗き見ているような感覚に襲われます。

世界的名品の数々に囲まれ、贅沢な空間で黙々と仕事をする人々。
美術品を運搬する人。
絵画の配置を考える人。
館内を整備・清掃する人。
古物の洗浄・修復を行う人。
収蔵品を把握しリスト化する人。
鑑定士、写真家、料理人、設営、警備、救急、消防などなど。
そして展示されず、地下の収蔵庫で眠り続ける膨大な美術品たち。

なるほどこれはこうなっていたのか!と、興味深い現場の裏側もたくさん知れてとても面白かったです。

あと余談なんですが、大学の冬休みにバックパックでフランスを貧乏旅行した際、ルーヴル美術館を訪れたらその日たまたまストライキ中で、無料で入館できたことがあったんです。
「フランスはデモとストライキの先進国」と聞いてはいましたがあの高名なルーヴル美術館ですら、職員が何かしらの抗議と権利を求めて一致団結する姿に、大きなカルチャーショックを受けました。
それと同時に、労働者の権利として認められているストを大いに活用し、「決して経営者に虐げられず、堂々と権利を主張できる労働者の立場」に、当時就活前だった私は強い感銘を受けました。

そういう経験もあり、ルーヴルで誇りを持って働く皆の姿が一層輝かしく思えたし、フランス人の独立した国民性も垣間見れたように思えます。
ルーヴルは絶対また行きたい!!
Mikiyoshi1986

Mikiyoshi1986