映画おじいさん

大当り三色娘の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

大当り三色娘(1957年製作の映画)
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江利チエミは関西弁だし浪花千栄子は出てるしで舞台となる架空の街・下北原は関西のどこかと思いきや、その名前から分かるように下北沢ロケ作品。じゃあなんで江利チエミは関西弁なんだ?

江原達よしがオープンカーで派手に突っ込む八百銀はファーストキッチン前にあったスーパーオオゼキ開店直後に店をたたんだ八百屋さん。

肝心な内容は、これが井手俊郎⁉︎と言いたくなるくらい雑なストーリーのアイドル映画。でも憎めない。劇場では笑いのシーンで滑りまくっていたけど、もう少し優しい目で観てあげればと思ったくらい。しかし2度は絶対観ませんね…。

草笛光子の身代わりとなって雪村いづみが歌声だけを飯田蝶子に聴かせるシークエンスは最後まで描かれず途中でぱたん。明らかに飯田蝶子の顔見せだけに設けられていた…。
江利チエミの雇い主が草笛光子(雪村いづみの雇い主)と同級生という話が出てきて後に繋がるかと思ったらちっとも繋がらない…。
嫌がっていたのにジェームス・ディーン似と言われてホイホイ会いに行ったり、勘違いして会った宝田明のことを「ジェームス〜というより宝田明ね!」と言うような楽屋落ち的ギャグなど…いちいち細かく書くのもはばかれるほどくだらない。

井手俊郎らしかったのは、雪村いづみに勘違いされて二役をこなす宝田明のキャラ。彼が幾度も描いてきた双子キャラのアレンジ版に違いないでしょう。

この時代のカラー映画全般(特に東宝)に言えることだけど、天然色にはほど遠い発色。つまり人工着色っぽい。登場人物が派手な柄の衣装(宝田明のマンボウ柄アロハ!)を選んで着ていることからすると経年によるものではなさそう。何かしながら観るとぶっ飛んだりして…そんな効果も考えて色設計されているのでは。