デパルマ

蜃気楼のデパルマのレビュー・感想・評価

蜃気楼(1965年製作の映画)
2.5
記憶喪失の男が真相を知るため探偵のウォルター・マッソーを雇うとジョージ・ケネディが襲ってくるグレゴリー・ペック版「シャレード」。オードリー・ヘプバーンが謎の男ケーリー・グラントに振り回されるストーリーを、「シャレード」の脚本家ピーター・ストーンはグレゴリー・ペックの中に記憶喪失という謎を作って焼き直している。二番煎じの上にスタンリー・ヘイドンの演出力には勝てるはずもないが、クインシー・ジョーンズのモダンジャズ音楽や暗闇を捉えた陰影の濃い撮影は美しい。グレゴリー・ペックが拳銃を持った男を鞄で殴るとカメラが部屋で流れるプロレスのテレビ中継を映し、プロレスラーがダイビングボディプレスを決めダウンすると同じように伸びた拳銃男にカメラが戻るというダイナミックな編集も良かった。
デパルマ

デパルマ