TP

セックスと嘘とビデオテープのTPのレビュー・感想・評価

3.4
★1991年に続き2回目の鑑賞★

 スティーブン・ソダーバーグ監督のデビュー作であり、カンヌ映画祭でグランプリに輝くとともに主演のスペイダーは男優賞を受賞。ソダーバーグ監督の十八番ともいえる群像劇は本作でもやや感じ取ることができる。

 公開当時は結構話題になった映画と記憶しているし、初回の鑑賞時は評価4.5をつけていながら、全く内容を思い出せずにいた作品。
 今回改めて観ると、ごく普通の内容。他人女性が自身の性体験・性癖を語っている様子をビデオに収めてそれを楽しむという趣味は異常ではあるが、他人を傷つけているわけではないし犯罪にあたるものでもない(現代ではそれがSNSに拡散されて大変だろうが)。
 異様な趣味を持っているものの、物静かで穏やかな男グレアムを演じたジェームズ・スペイダーの透明感が印象的で、彼の演技によって映画の質が上がっているとは言えるだろう。

 一方で当時としてはほぼ大勢を占めていたのであろう、結婚して家庭に入った真面目な女性アンや彼女の妹と不倫をしている夫ジョンの描き方はステレオタイプで少し設定に古さを感じてしまう。
 当時としては奇抜な内容だったが、今となってはそうでもなく、スペイダーの演技だけが強く記憶に残る作品。
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