8Niagara8

主婦マリーがしたことの8Niagara8のレビュー・感想・評価

主婦マリーがしたこと(1988年製作の映画)
3.9
イザベル・ユペール凄いなあ。
マリー、母としては救いようもなく最悪なんだが、妻や女性の現実は苛烈なもので彼女の行為を絶対悪として断罪することは不可能である。社会が彼女たちを取り残したことも一つの側面であり、ともすればそれは必要悪なのかもしれない。戦争の影がその説得力を増してしまう。
子供を産むことは女性にしか叶わず、特権的かもしれないが、寧ろ強制される側面も強くあり。縛りつけるものとしての悲劇性を視覚化する。

宗教的価値観、女性性、家庭といったあらゆるテーマが複雑に絡み合い、それでいて全体はバランスを持って作品としての体を成す。
尺やテンポ感が見事で、音楽を含めた緊迫感の醸成が巧み。
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