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父 パードレ・パドローネのAsinoのレビュー・感想・評価

父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)
4.3
明日の再上映に行けなくなって悔しいので昔の感想を。

舞台はサルデーニャ。1940-60年代の実話。

父親が学校にやってきて「今日から羊飼いにするからもう学校には来させない」と宣言され、誰もいない山の中に羊と犬とともに置き去りにされた少年時代から始まる。

貧しい羊飼いの少年たちは、青年になってみんな島を出て行くのだけれども、出て行きそびれた主人公は職業訓練的な目的で軍に入れられるけど、そこではイタリア語以外禁止で、文盲でサルデーニャ方言しか知らない彼はすごく苦労することになる。
でもそこから、彼は周囲の誰もが期待しなかった進路をたどることになる。

どこかおとぎ話っぽいシーンをいろいろ入れつつも、タヴィアーニ兄弟ってやっぱりネオレアリズモの系統を引き継いでる人たちなんだなぁと確かめた感じ。

1977年の映画なんだけど最初は劇場で見たんですよね。多分昔のイタリア映画を端から見まくってた時期に特集上映かなにかに行ったんでしょう…。
記憶の中に残っていた詩的な羊飼いの青年の物語は、何十年もかけて脳内で改変されたものだったのかしら?アコーディオンのシーンのあたりしか記憶してなかったってことかな(苦笑)
ある意味今は撮れない映画なんじゃないかと思う。ものすごく厳しく生々しい。
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