農家で暮らすエゴイスティックな父親と学校にも行かせてもらえず屈折した少年時代を送った息子の話。
困窮した生活の中で支配的な父とそこから逃れようとする息子。たまにナレーションで語られるそれぞれの欲望と子供たちが行う獣姦、突然止められる音楽に人間のエゴと押さえつけられて歪んだ世界が見えた。父との決別はまあそうなるよな。
元は一人の作家の自伝らしい。だから脚色はあっても現実の話。抑圧によって得られるものは何もないってことだろう。
「エル スール」では寡黙だったけれど、この作品では過激な父親なオメロ アントヌッティは面倒くさい父親の役が良く似合う。