ここにーる

鉄砲玉の美学のここにーるのレビュー・感想・評価

鉄砲玉の美学(1973年製作の映画)
3.5
うだつの上がらない兎売り(テキ屋)だった男が拳銃一丁と100万円を手にしただけで有頂天になるド底辺チンピラやくざ、切ない。そもそも鉄砲玉自体に美学など無いが、底辺の者には底辺の者にしか分からないエンパシー<共感性>が描かれている。『真夜中のカーボーイ』のラッツォ(ダスティン・ホフマン)の最期を思い浮かべた人もいるのではないか。人にはそれぞれその人に見合った“山の頂き”というものがある。遥か遠い、霧島の頂き。