チッコーネ

鰐 ワニのチッコーネのレビュー・感想・評価

鰐 ワニ(1996年製作の映画)
2.7
監督のデビュー作で、セオリー無視の乱雑さは予想の範疇内。
「水に象徴される静謐な世界を求めているのに、世俗や欲得から逃れられない」という監督の惑いや振幅は、本作にもはっきりと表れている。

ヘテロシス男性以外の描き方が一元的で、時代に逆行しているのも彼の特徴。
しかし本作内で「主人公が、ゲイキャラに思い切り復讐される場面」を挿入した用心深さ、彼にしては姑息で意外。
製作当時はニュー・クイア・フィルムの全盛期だったし「まずい」と思って後から撮り足したのかもね。