キム•ギドクの初期の作品で、映像は粗削り、音楽はムード歌謡のようでセンスがないし、ストーリーもやっぱり粗くて共感しにくく入り込めない所があるのですが、ラストの川の中のシーンなんかはほんとに綺麗で、これから進化していくギドクワールドを十分に感じさせる作品でした。
不器用ながらにも少しずつ優しさや初めて抱く愛の感情を見せるのですが、結局はやはり絶望でしかないのでしょうか・・・。
愛と絶望のラストシーンが切なく美しいです。
都会を流れる澱んだ川なのに、潜ってみれば美しいブルーの世界。
川の上の汚れた世界と、川の中の神聖な美しい世界が対照的に描かれています。
暴力と性の描写は直接的で全体的にも粗いけど、川の中の描き方などは独特な美しいファンタジーがあって、ギドクらしさを感じました。