ケイタカハシ

フォートレスのケイタカハシのレビュー・感想・評価

フォートレス(1992年製作の映画)
2.5
昔、深夜にテレビでやっていたのを視聴。

出産制限が設けられた近未来ディストピア。無許可で子供を宿した罪で主人公は妻もろともハイテク刑務所へ。囚人の身体には爆弾が埋め込まれており脱獄できないというアイデアは当時は新鮮だった。
主人公は凡庸だが仲間たちはキャラが立っている。。。んだけど、主人公たちが脱獄へのステップを一つ進むごとにお約束のようにあっさりと死んでいく。
ラスボスである刑務所長と対決する頃には仲間はもう一人だけ。この映画のこれまでのお約束ならば刑務所長の命と引き換えに死ぬのだろうか。他のキャラはあっさり死んだからここらでドラマチックに散ってほしい…などと思っていた。が、予想は外れ刑務所長を二人で倒し、脱獄に成功する。外の空気に触れしばし喜ぶ二人。
「なるほど。この仲間は最後まで生き残るんだな。良かった」と思うじゃないですか。なんと次の瞬間!背後から巨大トラックが突っ込んできて彼の背中をドーン!バタッと倒れる仲間。
いやいやいやいや。オチに困った時の漫☆画太郎じゃないんだから。ってか気づくだろ!荒れ地を大型トラックが走ってくるんだぞ!近未来のサイレント技術とでも言うのか!
せめてさ、追突されたら派手に吹っ飛んでくれよ。バタッて。
どういう演出意図なんだろう。とにかく仲間にはカッコいい見せ場を与えたくないという監督の意地みたいなものを感じる(ただ銃撃を受けながらも刑務所内のシステムをハッキングしロックを解除し絶命したメガネの人だけはカッコ良かったと付け加えておこう)。

こいつが真のラスボスか?これからまだアクションシーンがあるのか?と思えたトラックは主人公の持つ機関銃であっさり爆発停止。次の瞬間なぜか近くにいた奥さんが出産し、目に涙を浮かべながら喜びTHE END。どう考えてもトラックは蛇足だ。映画の出来を犠牲にしてでも主人公以外は絶対に地味に死なせてやると決意した監督の執念が光る一品。地味死ファンなら。