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小さな赤いビー玉のsonozyのレビュー・感想・評価

小さな赤いビー玉(1975年製作の映画)
3.9
1975年 仏 ジャック・ドワイヨン監督の長編2作目。
原題: Un sac de billes / A Bag of Marbles(一袋のビー玉)
原作は、ジョゼフ・ジョッホによる同名の自伝。

可愛らしい邦題ですが、ナチスによるユダヤ人迫害がテーマです。

ナチス・ドイツ占領下のパリ。ユダヤ人迫害が激しくなる中、床屋を営むジョッフォ家(両親と4人の息子)。
両親の指示で、二人の兄を先に南仏の非占領地域へ送り出し、続いて12歳のモーリスと10歳のジョゼフは2人だけで兄たちを追う。

タイトル(原題)は、ユダヤ人の印である黄色い星マークを衣服に縫い付けさせられたジョゼフを見て、イタリア人の友人がカッコいいと気に入り、星マークとビー玉一袋を交換するという、何とも言えない気分になるシーンから。
※特に"赤"が印象付けられているわけではないので、邦題の意図は不明です。

このテーマなので、もちろん重い内容ではありますが、ジョッフォ家の唯一の救いはナチスの迫害で一家が全滅はしなかったこと。

弟をガキとバカにする兄モーリスは売春宿のお姉さんに頼まれたものを届けた際、ちょっとだけ大人な体験をさせてもらったり(笑)、ジョゼフは住み込みで働かせてもらう書店主の娘、フランソワーズとの初恋(歳上のフランソワーズがリードするキス)的なほっこり要素もありつつ、ラストのジョゼフのナレーションが深く沁みます。
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