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やさぐれ姐御伝 総括リンチのbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
現代和彫界を変革した革命児"凡天(梵天)太郎"の代表漫画の一つ『猪の鹿お蝶』を原作とした、女侠客映画の第2作

ーーー【あらすじ】ーーー
神戸港へ着いたお蝶は、女スリの朱美に案内された旅館で、謎の男たちに捕まり拷問された挙げ句、最近起きている女殺しの濡れ衣を着せられる。
刑務所帰りの男・譲二に救われたお蝶は、男たちに復讐すべく、近隣を仕切る扇屋一家に草鞋を脱ぐ。そこで、実は譲二が一家の幹部である事、大恩ある前組長が死に一人娘が行方不明であること、現組長・剛田が仕組んだと思われること等の事情を知ったお蝶は、譲二、ズべ公グループ・紅衿団、半纏ババア率いる女スリたちと組み、女を食い物にする悪徳一家に立ち向かっていくのだった!
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前作『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』で描かれた、雪&全裸&足許&長回しの殺陣という白眉シーン満載の作品の続きということで、期待値が否が応でも高まってしまうところでしたが、そこをグッとこらえて見たのがよかったのか、無難に面白いという感想で収まりました。

本作も最初からエンジン全開。雨に赤いライティング、おっぱいもろ出しで、仕込み傘振り回し男共を切り捨てるお蝶から始まります。その後はバラックのアングラドヤがいを横から&上から滑るように撮る等の見所シーンがいくつかありますが、残念ながら殺陣や戦闘のシーンについては、正直めぼしいところはありませんでした。
代わりと言っては変ですが、本作では、濡れ場や女性の裸、助平親父感溢れるネットリと嫌らしいシーンが、これでもかと増量されております。

調べたところ、『網走番外地』シリーズ等で有名な本作監督の石井輝男は、アクション映画のみならずポルノ映画でも有名だったようで、なるほどどうりでポルノ色が強くなっているわけですね。『網走番外地』では鬼寅役でもお馴染みアラカン(嵐寛寿郎)おじいちゃんが、扇屋一家前組長の扇清造役で出ていたのも、この要因があったということなんですかね。

ちなみに、そんなアラカン演じる扇組長の指を小刀で切り、最後にはお蝶との斬り合いになった九州ヤクザの親分・デカ虎役は、凡天太郎ご本人。いや~、顔が怖い!!笑
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