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やさぐれ姐御伝 総括リンチのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 石井輝男リミックス性愛総括リンチ



 2011年7月26日 17時21分レビュー



1973年東映作品、企画天尾完次。脚本掛礼昌裕、関本郁夫。脚本、監督石井輝男。

キングオブカルト、石井輝男監督の数えて63本めの監督作品。

なぜカルトか?

それは、石井輝男監督作品、東映時代数々の「異常性愛シリーズ」は、いまだ未ソフト化の「江戸川乱歩恐怖奇形人間」を筆頭に、

恐るべき残酷描写とハードな大人のエロス映画をたたきつけ、今も根強い人気を世界的にほこる

「キングオブカルト」の名にふさわしい「イシイ」作品を表現している。
 
日本ラブ事件史上最大の阿部定事件。(アベサダオじゃないよ、こちらが本物の元ネタ。)をエピソード内に映画化。本物の阿部定さんが、登場します。ここがすでに異常であり、石井輝男の真骨頂、「愛のコリーダ」ファンもびっくりの「明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史」

他「徳川いれずみ師」「やくざ刑罰史 私刑(リンチ)!」とうとう発表当初は、過激のあまり雑誌炎上で、裁判沙汰になった素晴らしき神経さかなでぶり。
 ハードなコア表現を日本映画のなかで追求された表現者であり、いまだにその熱狂的ファンは生まれ続けることだろうと思う。私もずーっと魅了されてるその一人である。

そんな石輝輝男作品のなか、長らくソフト化してほしかった作品の一つ。

東映のセクシー女優で売り出した池玲子の最高傑作の呼び声。雑誌でみた記事。

いちお成人大人の映画。

以後90年代の復活まで本作のような石井セクシー路線は、皆無であり、石井輝男異常性愛シリーズ「徳川女系図」で組んだ天尾プロデューサーと久々の仕事。実質的なセクシー路線の最後に近い。前作は、遺作までお付き合いになる丹波哲郎主演の成人映画「忘八武士道」、新作速攻レンタル鑑賞。







異常性愛シリーズファン、石井輝男ファンなら必ずみてほしい作品でした。

石井監督の異常性愛シリーズから
ラインシリーズ、
探偵探りシリーズからの
「直撃地獄拳」シリーズで見せたお下劣描写からのスプラッター、
セックス描写まで

あますところなくオールリミックスされた石井輝男ワールドでございました。

物語は、姉御こと池玲子のとある風来姉御にまとわりついたスリの女。池を巻き込む悪の集団、驚くべき悪集団。池姉御のセクシー総括の火花が全身から今、飛び散る。

池玲子のやさぐれ言葉がイキイキしてます。

ずーっと着物だったのに、いきなり探偵ルック!とかつながらないのに妙に似合って強引です。

なかでも「けっ!演技だよっ!」の台詞は、必聴。

そして何気の助演
「網走番外地」の鬼トラ親分こと嵐勘寿郎。

少ないお笑いパートのいつもの大泉出演。

そして悪役には、名和宏。安部徹のいつもの石井組悪役商会の皆さん。

ラストのまさしく総括リンチぶり、必見でございます。

大ラスにしっかり、池の歌パートありのサービス(出たっ! 作曲は荒木一郎)

エログロ殺陣にスプラッターごった返しのごった煮加減満載です。

弾は目に刺さる

花札は皮膚に刺さる

とある女性は、、、、(過激すぎる)

ほかもろもろとやりたい放題の石井オールセクシースプラッターリミックスです!

時折魅せる石井輝男の舞台の色彩ぶり、窓の色のこだわりも素晴らしいです。

あとピエロや「虐げられた人達」の描写もハッとさせられます。
異常性愛シリーズでも露骨に見せていくんですが、

我々の言葉を失わさせる

さりげない人間の性、「サガ」 を

サラリと描く石井輝男の性愛描写は、 これからも人々を魅了することでしょう。

さて池姉御が魅せるセクシーな事件に天誅リンチをくだす!

石井ワールド発、石井輝男リミックス性愛総括映像リンチ!

ぜひ是非ごらんください!
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