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ロボジーのMOCOのレビュー・感想・評価

ロボジー(2011年製作の映画)
3.5
「あのな、泊まりの時は一番いいホテルにしてくれよ。マッサージ付きな!朝飯は和食!温泉なんかあるとなおいいな」

 無名の「木村電器」のエンジニア小林弘樹(濱田岳)は太田浩次(チャン・カワイ)・長井信也(川島潤哉)と三人のチームで等身大の二足歩行ロボットの開発を命じられます。
 博覧会まであと1週間、ただでさえ製作が間に合いそうもない状況なのですが、パソコンと繋がれたロボットは、手違いで起動してしまい、するはずのない二足歩行を始めると、研究室の窓から真っ逆さまに落ちていってしまうのです。まだバックアップデータを取っていないパソコンを引き連れて・・・。

 クビを怖れた三人はロボットの外枠を利用した着ぐるみに人を入れて急場凌ぎをしようと考えつき小柄の老人、鈴木重光(ミッキー・カーチス)とバイト契約を交わします、本当のことは内緒にして・・・。

 鈴木老人は博覧会を着ぐるみショーと騙されてロボット「ニュー潮風」を演じるのですが、参加ロボットは全て着ぐるみと思っているためライバル心から大暴走、その上会場で大怪我をしそうになったロボットオタクの大学4年生 佐々木葉子(吉高由里子)を助けてしまいニュー潮風の高い能力は大ニュースになりニュー潮風と開発の3人は時の人になってしまいます。

 ニュースの余波からニュー潮風を再び起動させなければならなくなった3人は、鈴木老人に再び着ぐるみを着て欲しいとお願いに行くのですが真相を知った鈴木老人は・・・。

 各所で開かれるイベントで着ぐるみを着る鈴木老人は彼らの出張に同行し、高額な食事・マッサージ師・温泉・・・と、要求がエスカレートしていきます。

 ある日、博覧会の事故でニュー潮風に助けられた佐々木葉子が訪ねてきます。
 葉子はニュー潮風の虜になってしまい、大学の講義室に彼ら3人を招き、パソコンやロボットに興味がある学生に講義をして欲しいと・・・。
 学生との交流は三人のロボット知識を深めていくのですが、就職が決まれば葉子が離れて行くと決めつけた太田の冷たい言葉に葉子は傷付き大切にしていたニュー潮風の資料を処分しはじめます。
 その時ニュー潮風は着ぐるみと疑う写真が見つかり、葉子は正体を暴くためローカルテレビ局に働きかけます。
 その頃海外のロボット業界でもニュー潮風の動きはおかしいという噂がたち始め木村電気は記者会見を開くことになります。

 久しぶりに大学を訪れた葉子は小林が置いていった資料を受けとります。精巧なニュー潮風の設計図を見た葉子は記者会見を止めようと会場に向かうのですが・・・。

 ミッキー・カーチス(五十嵐信次郎として主演)演じる鈴木老人の暴走ぶりにハラハラドキドキです。急場凌ぎのぬいぐるみショーは寂しく暮らす鈴木老人の生活を激変させるのですが、エンジニアの三人が(そんな能力はないのですが)ロボットを開発してしまえばその関係は解消されてしまう不安定なものです、いずれお払い箱になってしまうことを3人も、鈴木老人も知っているのです。
 永遠に続く訳ではない関係を鈴木老人は果たして黙っていられるのか・・・。

 最後の最後、笑わせてくれる大オチが待っています。

 よくもまぁ、こんな素人俳優をメインにしたなぁ。とミッキー・カーチスとチャン・カワイのキャスティングが上手く映画にはまっています。

 監督は『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』『ハッピーフライト』『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』の矢口史靖さん。流石、笑わせてくれます。
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